| ◆ カラエナビ指数と読書 ◆ | カラエちゃん,ボクはカラエナビ指数が50くらいだったけど、どうやったらカラエちゃんみたいに80や90もいくの? 何かコツでもあるのかな? | | そうねえ,コツと言っても特に何もないわ。私のカラエナビ指数が比較的高いのは、問題を見た瞬間に答えがパッとひらめくことが多いからだと思うけど・・・ | | そこがカラエちゃんとボクの違うところだなぁ。ボクの場合は答えがすぐにひらめくことは滅多になくて、たいてい頭の中で文字を1つ1つ並びかえて,どうにか言葉を組み立てて答えが分かる場合がほとんどだよ。 | | そう言えば,実際に何人もの小中学生にカラエナビゲームを試してみた結果、国語の得意な人,読書好きな人ほど,瞬間的に答えがひらめくことが多かったそうよ。 |
| えっ、そうなの? じゃあボクももっと本を読めば,カラエナビ指数が高くなるのかな。 | | その可能性は高いわね。そもそも,カラエナビ指数の計算では,「瞬間的に答えがひらめく」=「脳の瞬発力が高い」ということに目をつけて,「ごく短い時間での正解」を重視するようになっているのよ。 | | 「ごく短い時間での正解」を重視する,っていうのはどういうこと? あまりピンとこないいんだけど。 | | 例えば,次のような二人の成績を考えてみて。
●A君の成績 【正解率:67%,平均解答記録:50秒】 10秒(正解),20秒(正解),120秒(時間切れ) ※制限時間120秒に設定
●B君の成績 【正解率:67%,平均解答記録:50秒】 40秒(正解),50秒(正解),60秒(時間切れ) ※制限時間60秒に設定
ナビくんは,この二人のうち,どちらの方が実力が上だと思う? | | あっ,二人とも,正解率と平均解答記録が同じだ! でもどちらが上かと言えば、この例だと,A君の方が短い時間で正解しているから,A君の勝ちかな? | | ええ,A君の正解にかかった秒数の平均は15秒だけど,B君の平均は45秒だものね。つまり,A君はパッとひらめいて正解していることが多いけど,B君は頭をフル回転させてどうにか正解にたどり着いてる,という感じかしら。 | | なるほど〜,ボクはどっちかというとB君タイプかなあ。というわけで,この例だけど,B君の勝ちっていう考え方もできないかな。不正解の場合に注目すると,B君は60秒だけど,A君は120秒かかっても正解できなかったんだから・・・ | | 確かにそういう考え方もできるけど,残念ながらカラエナビ指数の計算では,正解率が同じなら,時間がかかって正解できなかったコトよりも,「いかに多くの問題を短い時間で正解したか」ってコトの方を重視しているのよ。脳のヒラメキの強さ・・・っていうか,瞬発力みたいなものをね。 | | そっかー。ところで,さっきカラエちゃんが言ってたけど,どうして読書好きな人ほど,瞬間的に答えがひらめくことが多くなるのかな? | | 読書量の多い人は,たぶん普段から文章に多く触れていて,単語というか,文字のつながりのパターンを無意識のうちに大量に脳にインプットしているからだと思われるわ。 | | うーん,なんだか難しい話になってきたね。文字のつながりのパターンって,よく分からないけどどういうこと? | | ちょっと説明しにくいけど,瞬間的に答えがひらめく場合っていうのは,どうやらカラエナビ問題の文字を意味のある言葉として認識してるんじゃなくて,文字のまとまりを図形のようにパターン認識していると思われるの。それで,同時に脳内にインプット済の単語パターンの中に似たものが見つかれば,それが答えとして頭に浮かんでくる・・・という感じかしら。 | | ??? ますます,意味不明なんだけど・・・。もうちょっと分かりやすい例で説明してよ。 |
| そうねぇ,例えば「デンワ」っていう単語は,「デ」「ン」「ワ」っていう3つの図形が近くでくっついているパターン,っていうとらえ方かな。同じように,もし海で犬と猫が一緒にいる写真があれば,それは「海」「犬」「猫」が一緒にあるっていうパターンよね。 | | ああ,ちょっと分かってきたような気がするよ。「何枚かある写真の中から,海で犬と猫が一緒にいる写真をさがせ」って言われたら,「犬」「猫」「海」の写っている位置とか順番に関係なく,カンタンにさがせるもんね。 | | そういうこと。「犬」「猫」「海」の順番が入れかわっていても,図形パターンとして認識していればさがしやすいのよ。カラエナビで瞬間的にひらめく場合は,これと同じように,文字の意味をいちいち考えてるんじゃなくて,図形パターンを認識して直感的に答えが浮かんでくるのでしょうね。 | | ははあ〜,ボクがヒラメキで正解することのが少ないのも,そのせいだろうなあ。普段からあまり本を読んでないから,そのパターンってのが,もともとあんまり脳にインプットされてないっぽい・・・。で,頭の中に似たパターンの答えが見つからないから,1文字ずつバラバラにして手当たり次第の並びかえ作業をしなくちゃいけなくなると。 | | そういうこと。でも,読書をすることで,文字のつながりのパターンがたくさんインプットされるし,ついでに日本語の語彙も広がって国語力もつくし,論理的な思考能力も身につけられるわ。結果的に,カラエナビ指数が上がるだけじゃなくて,学校の成績も上がるかもしれないわよ。 | | そんなにうまくいけばいいんだけどなあ。でもとにかく,「ヒラメキでの正解が少ない=カラエナビ指数が低い=読書量が足りていない」っていう目安になるかもね。ボクもこれからはもっと本を読むことにするよ。 | | そうした方がいいわ。カラエナビ指数に限った話じゃなくて,読書量と国語力には深い関係があるし,中学や高校の勉強では複雑な文章題も多くなってくるから,国語力が足りないと他の教科まで分からなくなってくるのよ。 | | うん,分かったよ。カラエナビ指数の話をしていたら,えらく話がそれちゃったね。でも役に立つ話だったからよしとするよ。ありがとう,カラエちゃん。 |
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